AIイラスト生成環境構築をしていきます。
私の生成環境維持のための忘備録も兼ねています。
StableDiffusionを使った画像生成AIを使うためのWebUI「A1111」をインストールする手順を記事にしています。
手間はかかりますが、意外と難しくはないので、3Dゲームができる程度のPCをお持ちの方は試してみるのも面白いと思います。
わたしのこれまでの経験をもとに、できるだけ簡単に導入できるように説明していきたいと思います。
もくじから、必要な項目を選択してお読みください。
AIイラストの生成環境とは
AIイラスト生成をする場合、今ではいろんな環境が整っていて、アプリやWebで基本的にはできてしまいますし、有料サービスを使うことで、かなり高度なイラストなどを生成することもできます。
そんな中で、私はローカル環境にこだわっています。
私の場合、もともとpythonの環境が整っていたことや、ゲーム用に少し強めのグラボを使っていたことも理由になっていますが、やはり全部自前というロマンです。
「AUTOMATIC1111」を使っているのは、たまたま出会ってしまったからです。
AIイラストを作るのはとても楽しいです。自分の好きな絵柄が出力できるような環境作りを試行錯誤したり、劇的な変化をするような設定やpromptを見つけ出すのもすごく楽しいです。
利点は、WebUIでできることはほぼできますし、LoRaを作ったりチェックポイントのマージなども自由にできるということです。
マシンスペックがかなりモノをいうので、性能次第ではあまり高度な生成はできないかもしれませんが、ご興味がありましたら、次項のPCスペックのご確認へお進みください。
必要なPCスペックについて
私が主に使っているローカル環境は、StableDiffutionのWebUI「A1111」です。
かなり進化していて作動要件は少ないのですが、まだまだとても実験的なので、
余裕がある限り高スペックが望ましいです。
一般的に「ゲーミング」と呼ばれる性能のPCならば、かなりいい線いくのではないかと思います。
そんな中でも、AIイラスト生成ならではの優先順位がありますので他の用途も吟味して、できるだけ優先順位の高い部分に投資する選択をして頂ければと思います。
私の個人的経験からの私見ですけれど、低予算でパーツ選択をする場合の優先順位をつけながら、必要スペックを考えてみました。
優先順位1: ビデオメモリ(VRAM) 4GB以上
生成容量に直結するので、多ければ多いほうが望ましいです。
最低でも4GB以上が望ましいと「A1111」の動作要件にも記載されています。VRAMが足りない分は、メインメモリから共有部分を割り当ててくれるのですが、劇遅になります。
私のノートPCは、RTX3050Ti 4GBなのですが、イラスト生成は2048×1024あたりが通常生成の限界です。それ以上のサイズだと、エラーの確率が高くなります。メインメモリで補ってもエラーが出るようになります。大きい、早いを求めるならVRAMは多いものをお選びください。
優先順位2: GPU Nvidia一択で、RTX3060以上は欲しい。
私は、RTXシリーズしか使っていないので、ネットの情報だよりなのですが、NvidiaのGPUが一番生成速度が早いようです。AIイラストの生成に対するスタンスで選択肢は変わってきますが、ガチャ感覚でガンガン生成して当たりを引くような生成するなら、できる限り高性能なグラボを選択しましょう。
私は、メイン機でVRAMコスパ最強と言われているRTX4060 16GBを使っています。ですが、2000pxクラスのイラストだと快適とは言えないのが実態ですね~。
ここは、お金をかけた分だけ早くなるイメージです。
優先順位3: メインメモリ 32GB以上が望ましいです。
メインメモリは、生成時のVRAMの共有領域として使われます。
かなり遅くなりますが、VRAM不足を補ってくれるので大きな画像のイラストを生成する際に役立ちます。少ないよりは多いほうが良いです。
私のノートPCは、VRAMを補いたいと思ってメインメモリ64GBを搭載していますが、メインメモリ64GBを使い切る前にエラーが出てしまいます。32GBあたりでよいのかもしれません。
優先順位4: SSD 高速高容量が気分良い
ストレージは、読み書きともに、早いほうが快適です。
私のマシンは5000MB/s以上のM.2 NVMeを採用しています。特に起動時のチェックポイント読み込み速度では差が大きく出ます。余裕があるなら高速タイプを導入してみてはいかがでしょうか。
以上の部分に重きを置いて、イラスト生成用マシンの選択をしていくと良いのではないかと私は考えています。ここで述べていませんが、CPUについては、かなり古い世代でも高負荷となることはないので、そこまで高性能は望まれていないと考えています。intel Core i5シリーズ以上であれば安心だとは思います。
私のメインPCは、いまだにi9-9900Kですが、AIイラスト生成関連の処理で高負荷状態になることはほぼないです。
WebUI「A1111」インストール準備
StableDiffusionのWebUI「A1111」をローカル環境で使うために、
以下の環境整備が必要です。
Windows10の64ビット環境でのインストールを想定している記事です。それぞれのインストール説明ページに飛びますので、必要に応じて読んでくださいませ。
Python3.10.6が推奨されています。
AUTOMATIC1111のインストール(ここがメイン)
YouTubeにインストール動画をアップロードしました。
記事と合わせてご視聴ください。
※導入ドライブやフォルダ名などが記事と異なっていますが作業内容は記事と同じです。
ここから、A1111のインストールを進めます。
まず、高速で要領に余裕があるストレージにインストール用のフォルダを作成します。
今回は「0117」というフォルダをCドライブ直下に作りました。
作成したフォルダを開いて、
フォルダのアドレス欄に、「Powershell」と打ち込みます。
Powershellが開きますので、
作成したフォルダがカレントディレクトリになっていることを確認してください。
以下のコマンドを打ち込んで、「A1111」のクローンフォルダを作成します。
git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui.git
実行すると、その時点で最新版の「A1111」がフォルダにコピーされます。
終了したら、Powershellを閉じてください。
作ったフォルダの中に「stable-diffusion-webui」というフォルダができていて、
以下のような中身になっていますので、「webui-user.bat」を実行します。
初回時は、必要最低限の機能とモデルをダウンロードするため、
多くの時間とデータ量を消費しますので、ご注意ください。
データのインストールが終わると、
既定のブラウザでWebUIのページが開きます。
これでAUTOMATIC1111のインストールは完了です。
2024.06.16現在のバージョンは、「1.9.4」となっています。
「checkpoint」を選択して、「prompt」を入力したのち、
「Generate」をクリックすれば、AIイラストが生成できます。
アンインストール方法は、フォルダごと削除するだけなので、気楽に導入できますね。
まとめ
今回は、A1111のインストール方法を書きました。
かなり高頻度で進化していくため、この方法もすでに古いやり方だとは思いますが、私はこの手順で何回もインストールしているので、おすすめしています。
もっと便利でよい方法を習得しましたら、改めて公開させて頂きたいと思います。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。
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